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立川流(たちかわりゅう)とは、鎌倉時代に仁寛によって開かれ、南北朝時代に文観によって大成されたとされる密教の一派である。「真言立川流」(しんごんたちかわりゅう)ともいう。 == 教義 == 経典は般若波羅蜜多理趣品、空海が請来した所謂理趣経(りしゅきょう)で、荼枳尼天(だきにてん)を拝する。本来仏教では性交は不淫戒で誡められているが、密教では瑜伽タントラの理趣経や多くの無上瑜伽タントラによって肯定されており、性交を通じて即身成仏に至ろうとする教義解釈がある。ただし、日本には瑜伽タントラまでは多く伝わっているが、具体的に性交を論じた無上瑜伽タントラは部分的にしか伝わっていないため、立川流を除く多くの密教では性交には否定的である。 しかし、この淫靡な儀式の奥には別の真実が隠れている。理趣経は本来男性と女性の陰陽があって初めて物事が成ると説いている。この儀式に8年もの歳月がかかるのは、その過程で僧侶とその伴侶の女性が悟りを得ることがその目的だからであり、そうなればもはや髑髏本尊など必要なくなってしまうのである。 立川流の真髄は性交によって男女が真言宗の本尊、大日如来と一体になることである。この点において、「女性は穢れた存在であり、仏にはなれない」と説いていた既存の宗派と異なる。 立川流の金剛杵は特殊な金剛杵であり、片方が三鈷杵、もう片方が二鈷杵になっている。この金剛杵を割五鈷杵(わりごこしょ)という。 なお、立川流の教義自体は、陰陽の二道により真言密教の教理を発展させたもので、男女交合の境地を即身成仏の境地と見なし、男女交合の姿を曼荼羅として図現したものであるが、髑髏を本尊とするなどの儀式に関しては、あくまでも俗説であって、立川流の秘儀や作法などが述べられた文献は殆ど焚書で無くなっており、立川流の件で現存する文献はすべて弾圧した側のものであるから、それが真実かどうかはわからないとされている。 男女交合の境地、すなわちオーガズムが即身成仏の境地であるとされるに至ったのにはいくつかの理由がある。密教では、人間はそもそも汚れたものではないという、自性清浄(本覚思想)という考えがあり、理趣経にも「妙適清浄句是菩薩位(びょうてきせいせいくしぼさい)」、「欲箭清浄句是菩薩位(よくせんせいせいくしぼさい)」、「適悦清浄句是菩薩位(てきえいせいせいくしぼさい)」などとあり、そこに性行為を含め人間の営みはすべて本来は清浄なものであると十七清浄句が説かれていることに起因すると考えられている。 また立川流が東密(真言密教)の流れを汲む邪宗とされるのに対し、台密(天台宗の密教)でも男女の性交を以って成仏とする玄旨帰命壇という一派があったことから、この二つはよく対比して論じられる事が多い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「立川流 (密教)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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